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(2)日本東洋医学会総会で発表した当院の治療成績を中心に述べる。
1)内科疾患では、呼吸器疾患として、カゼ症候群、急性気管支炎の有効例が多い。カゼ症候群、に対する柴胡桂枝湯著効例、20例につき検討した。本方は、カゼ症候群の中で太陽病を引きずりながら、少陽病を呈する病態に至る幅広い病期に適応できる方剤である。(99年総会、東京)。小児マイコプラズマ肺炎に対し、麻杏甘石湯併用群(19例)、小柴胡湯合竹葉石膏湯併用群(10例)と、西洋薬治療群(16例)三群に分け、検討を行ったところ、麻杏甘石湯併用群は西洋薬治療群より、平均抗菌剤投与日数および平均咳嗽消失日数を短縮した(93年総会、仙台)。また、小児マイコプラズマ肺炎に対し、小柴胡湯合竹葉石膏湯併用群は西洋薬治療群より抗菌剤投与日数、解熱までの日数、咳嗽消失までの日数、陰影消失までの日数を短縮できた(2000年総会、京都)。アレルギー性鼻炎、気管支喘息に対し、多くの有効例が得られている。虚弱者の喘息に、補剤である桂枝加黄耆湯、心因性喘息に、安神剤である桂枝加竜骨牡蛎湯を中心に投与して治癒した(97年総会、大阪)。
真武湯有効例45例につき検討した。対象症例は急性症11例、慢性症34例である。疾患の内訳は、急性症ではかぜ症候群5例、急性腸炎2例など。慢性症では、高血圧症10例、慢性胃炎6例、低血圧症、不安神経症、各3例などである。検討結果から真武湯はやや虚証から虚証で、めまい、手足冷、動悸、疲労倦怠、腹痛、頭重、小便不利などの症状を呈する急性・慢性疾患に有効である(2004年総会、横浜)
消化器疾患として、胃炎、胃アトニー、胃潰瘍、慢性肝炎など改善例がある。生活習慣病として、高血圧、痛風、肥満、高脂血症などにコントロールできる例が見られている。痛風12例に対し、防巳黄耆湯加木通車前子で体重の減少、血中尿酸値・中性脂肪値の低減が得られている(96年総会、横浜)。
慢性成人疾患52例(慢性胃炎・胃腸炎、慢性頭痛を多く含む)に対し、証に応じて桂枝人参湯を用い、副作用なく、87%の有効率を得た。胃腸虚弱で、頭痛や虚労、冷え性などを伴う慢性疾患に対し、桂枝人参湯は有効かつ重要な漢方の一つであることを示した。(2007年総会、広島)
慢性成人疾患48例(機能性胃腸症、慢性胃炎、慢性胃腸炎、月経困難症を多く含む)に対し、証に応じて安中散を用い、副作用なく、91.7%の有効率を得た。
脾胃の虚寒証で、疲労倦怠、神経質、食欲不振、月経異常、月経痛などを伴う慢性疾患に対し、安中散は有効であることを示した。(2008年総会、仙台)
2)小児疾患では急性疾患(感冒性嘔吐下痢症、胃腸炎など)、アレルギー性疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アトピー性鼻炎など)、虚弱体質(反復性中耳炎、反復性扁桃炎、てんかん、易感冒など)、小児神経症(夜泣き、夜尿症など)に有効例が得られている。
小児慢性疾患24症例に対し、柴胡桂枝湯の治療効果を検討、非アレルギー性疾患(浸出性中耳炎、てんかん、易感冒など)の有効率は100%、アレルギー性疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)の有効率は71.4%で、良好な治療効果を得た。(2003年総会、福岡)
幼児の長期間の朝立ちに抑肝散加陳皮半夏を用い、また母子の精神不安症例に抑肝散加陳皮半夏の母子同服を用いて著効例を得た。夜尿症を伴った小児喘息2例に対し、麻杏甘石湯合二陳湯、または小建中湯を投与、更に母親の精神状態が関与していることから、甘麦大棗湯の母子同服を追加、著効を得た(2001年総会、札幌)
小児下痢症に対し啓脾湯投与群(18例)は西洋薬治療群(16例)より、平均下痢消失日数が短縮した(95年総会、金沢)。
3)婦人科疾患では更年期障害、冷え症、不妊症、子宮筋腫、自律神経失調症などに有効例が得られている。不定愁訴患者26例に対し、漢方方剤にサフランを併用し、81.8%の有効率を得た。とくに冷え、疲労倦怠、不眠などの症状がよく改善した(98年総会、熊本)。
4)皮膚疾患では、アトピー性皮膚炎の症例が多く、改善例が見られている。円形脱毛症に眼瞼痙攣が併存するに症例に桂枝加竜骨牡蛎湯としょう芍薬甘草湯の併用を中心にして治癒した(94年総会、神戸)。
5)歯科口腔疾患では、口内炎や口腔乾燥症、歯肉炎、舌痛症、顎関節症などに、西洋薬には見られない良好な効果が得られている。特に難治性舌痛症三症例に対し、柴胡剤(四逆散、柴胡桂枝湯または柴胡加竜骨牡蛎湯)を主方とした投与で著功を得た。(2002年総会、名古屋)
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